MECEとは?コンサルの基礎となる思考フレームワークを徹底解説
MECE(ミーシー)は「漏れなくダブりなく」物事を整理する思考法です。定義、構成要素、実践的な使い方、活用場面、注意点までを体系的に解説します。
MECEとは
MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、日本語では「相互に排他的で、全体として漏れがない」と訳されます。つまり「漏れなく、ダブりなく」物事を分類・整理するための基本原則です。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのバーバラ・ミントが著書『考える技術・書く技術』の中で体系化した概念で、コンサルティングの基礎中の基礎とされています。
構成要素
MECEは2つの原則から成り立っています。
Mutually Exclusive(相互排他的)
分類した各グループ間に重複がないこと。同じ要素が複数のグループに属さない状態を指します。
| 良い例 | 悪い例 |
|---|---|
| 男性 / 女性 | 若者 / 社会人(重複あり) |
| 国内 / 海外 | 東京 / 関東(包含関係) |
Collectively Exhaustive(全体網羅的)
分類したグループを合わせると、全体を漏れなくカバーしていること。
| 良い例 | 悪い例 |
|---|---|
| 新規顧客 / 既存顧客 | 大企業 / 中小企業(個人事業主が漏れる) |
| 固定費 / 変動費 | 人件費 / 材料費(その他経費が漏れる) |
実践的な使い方
ステップ1: 目的を明確にする
何のために分類するのかを最初に定義します。「売上を分析する」「組織課題を整理する」など、目的によって切り口が変わります。
ステップ2: 切り口を選ぶ
MECEにするための切り口(軸)を選びます。よく使われる切り口には以下があります。
- 対立軸: 内部/外部、定量/定性、短期/長期
- プロセス軸: 企画→開発→製造→販売→アフターサービス
- 要素分解: 売上 = 単価 × 数量、利益 = 売上 - コスト
- 既存フレームワーク: 3C、4P、バリューチェーンなど
ステップ3: 検証する
作成した分類を以下の観点でチェックします。
- 各グループに重複する要素はないか?(ME)
- すべての要素がいずれかのグループに属するか?(CE)
- 分類の粒度は揃っているか?
活用場面
- 課題の構造化: 問題を漏れなく洗い出し、優先順位を付ける
- 仮説の網羅性チェック: 仮説が全体をカバーしているか確認する
- プレゼン資料の構成: スライドの論点を漏れなく整理する
- セグメンテーション: 市場や顧客を分類する
- ロジックツリーの基盤: ロジックツリーの各分岐がMECEであることが前提
注意点
完全なMECEにこだわりすぎない
実務では完全なMECEが難しいケースも多く、「概ねMECE」で十分な場合がほとんどです。完璧を追求して分析が進まないのは本末転倒です。
切り口の選び方が重要
同じテーマでも切り口によって得られる示唆は大きく変わります。「何を明らかにしたいのか」に立ち返って切り口を選ぶことが重要です。
「その他」の多用を避ける
「その他」を設けること自体はCE(網羅性)を確保する手段として有効ですが、「その他」に大量の要素が入る場合は、切り口の見直しが必要です。
まとめ
MECEは単なる分類テクニックではなく、構造化思考の基盤となるものです。ロジックツリー、ピラミッドストラクチャー、各種フレームワークの活用においてもMECEの原則が前提となります。まずは日常業務の中で意識的にMECEを適用し、思考の「クセ」として定着させることが重要です。
参考文献
- バーバラ・ミント『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』ダイヤモンド社
- 照屋華子・岡田恵子『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』東洋経済新報社