🧠思考フレームワーク

MECEとは?コンサルの基礎となる思考フレームワークを徹底解説

MECE(ミーシー)は「漏れなくダブりなく」物事を整理する思考法です。定義、構成要素、実践的な使い方、活用場面、注意点までを体系的に解説します。

#MECE#思考フレームワーク#ロジカルシンキング#構造化思考

    MECEとは

    MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、日本語では「相互に排他的で、全体として漏れがない」と訳されます。つまり「漏れなく、ダブりなく」物事を分類・整理するための基本原則です。

    マッキンゼー・アンド・カンパニーのバーバラ・ミントが著書『考える技術・書く技術』の中で体系化した概念で、コンサルティングの基礎中の基礎とされています。

    構成要素

    MECEは2つの原則から成り立っています。

    Mutually Exclusive(相互排他的)

    分類した各グループ間に重複がないこと。同じ要素が複数のグループに属さない状態を指します。

    良い例悪い例
    男性 / 女性若者 / 社会人(重複あり)
    国内 / 海外東京 / 関東(包含関係)

    Collectively Exhaustive(全体網羅的)

    分類したグループを合わせると、全体を漏れなくカバーしていること。

    良い例悪い例
    新規顧客 / 既存顧客大企業 / 中小企業(個人事業主が漏れる)
    固定費 / 変動費人件費 / 材料費(その他経費が漏れる)

    実践的な使い方

    ステップ1: 目的を明確にする

    何のために分類するのかを最初に定義します。「売上を分析する」「組織課題を整理する」など、目的によって切り口が変わります。

    ステップ2: 切り口を選ぶ

    MECEにするための切り口(軸)を選びます。よく使われる切り口には以下があります。

    • 対立軸: 内部/外部、定量/定性、短期/長期
    • プロセス軸: 企画→開発→製造→販売→アフターサービス
    • 要素分解: 売上 = 単価 × 数量、利益 = 売上 - コスト
    • 既存フレームワーク: 3C、4P、バリューチェーンなど

    ステップ3: 検証する

    作成した分類を以下の観点でチェックします。

    1. 各グループに重複する要素はないか?(ME)
    2. すべての要素がいずれかのグループに属するか?(CE)
    3. 分類の粒度は揃っているか?

    活用場面

    • 課題の構造化: 問題を漏れなく洗い出し、優先順位を付ける
    • 仮説の網羅性チェック: 仮説が全体をカバーしているか確認する
    • プレゼン資料の構成: スライドの論点を漏れなく整理する
    • セグメンテーション: 市場や顧客を分類する
    • ロジックツリーの基盤: ロジックツリーの各分岐がMECEであることが前提

    注意点

    完全なMECEにこだわりすぎない

    実務では完全なMECEが難しいケースも多く、「概ねMECE」で十分な場合がほとんどです。完璧を追求して分析が進まないのは本末転倒です。

    切り口の選び方が重要

    同じテーマでも切り口によって得られる示唆は大きく変わります。「何を明らかにしたいのか」に立ち返って切り口を選ぶことが重要です。

    「その他」の多用を避ける

    「その他」を設けること自体はCE(網羅性)を確保する手段として有効ですが、「その他」に大量の要素が入る場合は、切り口の見直しが必要です。

    まとめ

    MECEは単なる分類テクニックではなく、構造化思考の基盤となるものです。ロジックツリー、ピラミッドストラクチャー、各種フレームワークの活用においてもMECEの原則が前提となります。まずは日常業務の中で意識的にMECEを適用し、思考の「クセ」として定着させることが重要です。

    参考文献

    • バーバラ・ミント『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』ダイヤモンド社
    • 照屋華子・岡田恵子『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』東洋経済新報社